新たな道へゆく主人公
俺は目を覚ますと神秘的な空間に座っていた。向かいの椅子にも女性が座っていた。どこか女神のような服装と佇まいであった。
「あなたは道路に飛び出た少女を車から庇い死にました。」
その女神のような人がこう告げたので俺は色々思い出した。俺はいつも通り高校から帰っていたのだが、道中道の真ん中でしゃがんでいる少女に向かってトラックが突っ込んでいったのを目撃して咄嗟に身を呈して庇ったのだった。
「俺は、死んだのですか?」
「残念ながらそうゆうことになります。さらにもう一つ悲しいことなのですが…」
「なんだ? 教えてくれ。」
俺はその女神の悲しんでいる顔から深刻さを感じ取った。
「あなたの庇った少女もお亡くなりになりました。」
「あー…やっぱ漫画のようにうまく助けられないもんなんですね。」
俺は前々からそんなうまく庇えるものなのかと漫画を読んで思っていた。実際やっぱ難しいんだなと痛感した。俺はひどく悲しんだ。
「俺は…無駄死にしたってことですね。少女の安らかな死後を祈ります。」
そう俺が言ったあと女神が俺にこう伝えてきた。
「貴方様の名誉ある行動に評してあなたは異世界へ転生する権利を獲得しました。」
「転生…ですか?」