98/919
98 七人同行
七人同行は集団亡霊です。
これは香川県に伝承があり、七人組の亡霊が常に一列に並んで歩き進み、人がこれに行き遭うと死んでしまうといわれました。
その姿は普通の者には見えません。
ただ耳を動かせる者には見えるといい、また牛の股からのぞくと見えるともいわれ、次のような話が伝わっています。
ある日。
男が牛を連れて歩いていたところ、牛が四辻で急に立ち止まったのを怪しく思い、急いで牛の股からのぞき見たところ、思ったとおり七人同行の歩く姿がありました。
七人同行が四辻に近づいてきます。
男はじっと下を向いて、七人同行が通り過ぎるのを待ちました。
七人同行が男を振り返りました。
「マタ見てな」
・マタ=また(再度)=牛の股




