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94 化灯籠
化灯籠は怪異の一種で、栃木県の日光二荒山神社に次のような話が伝わっています。
ある日の夜。
灯籠に火を灯すと、すぐに油が尽きて火が消えてしまい、何度火を入れても同じことが起きました。
またこれに火を灯すと、周りのものが二重に見えたり、また灯籠そのものが様々な姿に変化しました。
警固の武士たちはこれを怪しみ、毎晩のように刀で斬りつけた結果、灯籠は通常どおり灯るようになりました。
現在。
灯籠の受け皿には無数の刀傷が残されています。
この怪異は暗闇の中で灯籠の火が風に揺らめいて見えたため、またはモモンガやムササビが灯籠の油をなめに来たものとの説があります。
この化灯籠。
正体は今も闇の中です。
・闇の中=この怪異は暗闇の中
・闇の中=結論や真実が分からない状態




