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938 白羽火
白羽火は怪火の一種で、静岡県磐田市の白羽に次のような話が伝わっています。
その昔。
ある金持ちに雇われた子守りは、あやまって子供を井戸の中へ落としてしまいました。
子守りの親が来て謝ったのですが、子供の主の怒りは収まることはなく、子守りの親もそれならばと、「性があるなら七代祟れ」と言って、我が子を井戸の中に落としました。
それ以来。
井戸から火がぽうっと現れ出ると、二つ四つと分かれ、それらが家を取り囲み、浮き上がっては消えるといったことを、毎晩のように繰り返しました。
それが原因なのか、その後、金持ちの家は死に絶えてしまったといいます。
この白羽火。
二人の子供にサガあったのでした。
・サガ=性=差が
・性=持って生まれた運命。宿命




