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妖怪百物語  作者: keikato
937/948

937 妖鶏

 妖鶏ようけいという妖怪がおります。

 これは明治から大正にかけての作家、巖谷小波が編さんした『大語園』に次のような話があります。

 その昔。

 某農家の娘は夜になると正気を失うようになり、心配した親は悪霊を退散させられるという僧を家に招きました。

 僧が娘に問います。

「妖鬼はどんな姿なのだ?」

「黒い服を着て、赤い冠をかぶり、褐色の革沓をはいた男で、朝になって帰るときは飛ぶように速いです」

 それを聞いた僧は、庭先にいた雄鶏を父親にシメさせました。

 その夜。

 血まみれになった男が娘の枕元に立ち、「わたしは悲しい」と恨むように言って去っていきました。

 その男は翌晩も現れました。

 娘が問います。

「まだ何のヨウケイ?」


・ヨウケイ=用かい=妖鶏ようけい

・巖谷小波(いわやさざなみ・1870~1933・明治から大正にかけての作家、児童文学者)

・『大語園』(東洋の説話一万集録企画の事典)


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