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936 妻殺田
妻殺田は耕作すると病気になるといわれる「病田」の一種で、埼玉県川越市に次のような話が伝わっています。
江戸時代の頃。
川越の領地に五反の年貢地がありました。
その田は米がよく獲れていたのですが、昔から病田といわれ、耕作する者の妻は病気になって死んでいました。
こうして次々と妻が死ぬことから、村人達はこの田を「妻殺田」と呼んで恐れ、やがて耕作する者がいなくなってしまいました。
あるとき。
城主の命令で稲のかわりに芹を植えることになり、それに従った百姓にも恐れていたことが現実となり、それからまもなく妻が病気になって死んでしまいました。
この妻殺田。
一寸先はヤミダといわれました。
・ヤミダ=病田=闇だ
・五反=1反は約千平方メートル(300坪)




