931/939
931 ぬるぬる坊主
ぬるぬる坊主は江戸時代の怪談集『因幡怪談集』に次のような話があります。
因幡から向かって米子の手前近くの村に、力自慢の男が住んでいた。
夜九ツ頃。
米子からの帰り、浜の波際を歩いていると、太い杭のようなものがもたれかかってきた。
男はこれに組みついて捕まえようとしたが、それはぬるぬるとしてなかなか捕まえられなかった。
そこで男は帯で縛り上げ、それを家まで引きずって帰り、柿の木にくくりつけておいた。
翌朝。
村の人たちはそれを見てびっくり。
近隣から大勢の人が集まってきたが、ぬるぬるしているという以外、この化け物について、誰一人うまく表現ができる者はいなかった。
このぬるぬる坊主。
掴みどころがありませんでした。
・掴みどころがない=ぬるぬる
・掴みどころがない=理解などがしにくい
・『因幡怪談集』(詳細不明)




