908/912
908 尻こぼし
尻こぼしは海に棲む河童の一種で、三重県志摩市などに次のような話が伝わっています。
これは海に入った海女をいきなり襲い、内臓の尻子玉を抜き取るため、襲われた海女の死体は尻の穴が大きく開いていたといいます。
土地によっては襲われやすい日が決まっていて、神社の天王祭の日に海に入ると必ず襲われました。
その日にどうしても海に入らなければならないときは、山椒の枝を糸でまとめたものを首から下げていれば、尻こぼしからの災難を除けるお守りになったといいます。
この尻こぼし。
山椒を見ると「尻子玉あるかー」と声が出てしまうので、海女はこの声に気づいて逃げることができました。
「尻子玉ナイゾー」
・ナイゾー=無いぞー=内臓