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妖怪百物語  作者: keikato
901/906

901 山地乳

 山地乳(やまちち)という妖怪がおります。

 江戸時代後期、桃山人の奇談集『絵本百物語』にあり、これには猿のようなものが、寝ている人間の息を吸う様子が描かれています。

 その本文。

「コウモリが年をとると野衾(のぶすま)となり、さらに年をとると山地乳になって山中に隠れ棲む。人間の寝息を吸い取るが、息を吸われた者は死に、その様子を誰かが見ていると寿命は延びる」

 挿絵中の文。

「奥州に多くいて、寝息を吸った者の胸を叩き、叩かれた者は死ぬが、その様子を誰かが見ていると長寿を得る」

 明治以降。

 山地乳の姿を見た者はなく、実際に寿命が延びたり縮んだりした者もいません。

 この山地乳。

 今は山奥深くで息を潜めているといいます。


・息を潜める=いると分からないように息をおさえてじっとしている

・桃山人(とうさんじん・1804~1844・戯作者)

・『絵本百物語』(1841年刊行・奇談集)


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