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90 貧乏神1
貧乏神は神の一種で、これはとり憑いた人間やその家族を貧乏にしました。
各地に昔話や随筆があり、薄汚れた老人姿で、体はやせこけて顔色は青ざめ、手に渋団扇を持って、悲しそうな表情で現れるといいます。
渋団扇を持っているのは味噌が好物で、味噌の香りをあおいで楽しむためだといわれています。
この貧乏神はどんな姿で現れても、怠け者に好んでとり憑き、家に憑く際は押入れや囲炉裏に棲みつきました。
昔から貧乏神と囲炉裏は関係が深く、夜に囲炉裏で火を焚くと貧乏神は熱がって逃げていき、燃えている火をやたらあおぐと貧乏神が出るといわれました。
囲炉裏の火は渋団扇でそーっとあおぐ。
これがミソでした。
・ミソ=味噌
・ミソ=重要な点
・渋団扇=柿渋を塗っているうちわ




