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妖怪百物語  作者: keikato
9/857

9 鈴彦姫

 鈴彦姫(すずひこひめ)という妖怪がおります。

 鳥山石燕の妖怪画集『百器徒然袋』にあり、神霊を降ろすために使われていた神楽鈴が付喪神つくもがみとなったもので、頭部に神楽鈴をつけた女性の姿で描かれています。

 この夜。

 某神社の神楽鈴が、長い年月を経て鈴彦姫になりました。

 鈴彦姫は付喪神となって、動けるようになったことが嬉しくてなりませんでした。

 その後。

 夜ごと鈴彦姫は境内をはねるように歩きまわり、そのたびに頭の鈴の音がガラガラと本殿まで鳴り響くようになりました。

 神様は本殿に鈴彦姫を呼びつけ、それから強くお叱りになりました。

「おぬし、うるさくて眠れんのじゃよ」

 この鈴彦姫。

 以来、鳴りをひそめたといいます。


・鳴りをひそめる=物音を立てずに静かにする

・鳥山石燕(とりやませきえん・1712~1788・画家)

・『百器徒然袋』(ひゃっきつれづれぶくろ)


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― 新着の感想 ―
[良い点] うまい! [一言] このキレが、前の2話にも欲しかった。。(^^;)
[良い点] 久し振りにお邪魔します。オチがめっちゃ綺麗♪ 夜の境内は鈴彦姫が歩き回っても涼しかったとか。 駄洒落脳が弱った気がします。またちょくちょく感想欄にお邪魔させてください(_ _) 読ませ…
[一言] 神様に叱られて…… 鈴彦姫かわいいです(笑)
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