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897 とうどやの夜
とうどやの夜は中山徳太郎・青木重孝共編『佐渡年中行事』に次のような話があります。
佐渡島の赤泊村に徳和という集落がある。
そこの人から聞いた話である。
他地域で「どんど焼き」「どんどん焼き」「左義長」などと呼んでいる行事を、佐渡では「とうどや」と呼ぶ。
やはり他地域と同様に、正月に使った松飾りなどを積み上げて燃やすもので、佐渡の集落ではおおむね正月15日の夕方から行われる。
徳和ではとうどやの夜、首のない影が映った人は死ぬといわれている。
誰かから「首がない」と指摘されたら、「いや、ある」と言って、拳であたかも首があるかのように影を作ると死を免れるという。
このとうどやの夜。
影に映らないのがネックでした。
・ネック=首=障害、妨げ
・『佐渡年中行事』(中山徳太郎、青木重孝・共編・1938年刊)