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妖怪百物語  作者: keikato
89/921

89 野守虫

 野守虫のもりむしという妖虫がおります。

 江戸時代中期、建部綾足の随筆『折々草』に次のような話があります。

 その昔。

 信州松代の若者が友人と山に入ったところ、全長1丈ほどの蛇のようなものが足に巻きついてきて、見ればそれには足が六本と、そのそれぞれに指が六本ついていました。

 友人が止めるのもきかず、若者はそれを鎌で切り裂き、いきがって死体を持って山を降りました。

 数日後。

 死体が異臭を放ち始め、若者はその臭いで頭痛となって寝込むことになってしまいました。

 医者に診てもらったところ、その虫は人にとり憑く虫で野守というものでした。

 その後。

 若者は何度もひどい頭痛に悩まされ、そのたびに虫の息になったといいます。


・虫の息=野守虫

・虫の息=弱り果てて今にも絶えそうな呼

・建部綾足(たけべあやたり・1719~1774・俳人、小説家)

・『折々草』(おりおりぐさ・紀行)


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