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886 死霊
死霊は死者の霊魂です。
死霊は古典文学や民俗資料などに数多く残されており、これは自分を殺した者を追いまわしたり、死後に親しい者のもとに挨拶に現れたり、さらには愛する者にとり憑いてあの世に連れ去ったりしました。
その昔。
ある村に幼い娘と父母の三人の親子が暮らしていたのですが、父親の死後、父親の死霊が母子の前に現れるようになりました。
母子は怖がって親類などに来てもらいましたが、それでも死霊は現れ、娘を連れ去ろうとしました。
母が死霊に申しわけなさそうに言います。
「あんたはもう死んだの。それにこの子、あんたの子じゃないし」
以来、死霊は二度と現れませんでした。
この話のシリョウは残ってません。
・シリョウ=死霊=資料(民俗資料)