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876 大化
大化という妖怪がおります。
この妖怪は室町時代中期から戦国時代にかけての大和絵の絵師、土佐光信の『百鬼夜行絵巻』をはじめとして、いくつかの絵巻に描かれています。
これらの多くは一本足で、丸みを帯びた体にギョロリとした目がついているのですが、絵巻によって体毛が生えていたり、体色が異なったり、尾がなかったりなど様々な違いが見られます。
これは蛙の妖怪だとする説もありますが、絵図に解説がなく、詳細は不明だといいます。
また「大化」と名前がつけられていることが確認できる絵巻は、国立歴史民俗博物館所蔵、作者不詳の『化物絵巻』のほかにないといいます。
この大化。
なかなかオッカナイ妖怪でした。
・オッカナイ=大化ない=おっかない
・おっかない=恐ろしい
・土佐光信(とさみつのぶ・1434?~1525?・大和絵の絵師)
・『百鬼夜行絵巻』(日本の絵巻物で多数の作品が現存)
・『化物絵巻』(詳細不明)