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妖怪百物語  作者: keikato
861/904

861 蝶の戸渡し

 蝶の戸渡しは江戸時代後期、松浦静山の『甲子夜話』に次のような話があります。

 ある人から「蝶の戸渡しというのをご存知ですか」と尋ねられた。

 筆者が「かつて船で玄界灘げんかいなだを行くとき、この目で見たよ」と応えると、その人は「実は私も玄界灘で見ました」と言った。

 ちなみに「戸」は、二つの海岸が隔たって向き合っていることをいう。

 蝶は荒海を対岸まで渡る。

 ただし渡るのは晴天で風がなく、海が静かなときであり、蝶はその機を知っている。

 行方は定かでない。

 蝶の心は測りがたく、どこを指して飛ぶのか知れないまま、ただ天地間の小事として眺めるばかりだ。

 この蝶の戸渡し。

 海に落ちる蝶もいました。

「ここはゲンカイナダ」


・ゲンカイナダ=玄界灘げんかいなだ=限界だな(げんかいだな)

・松浦静山(まつらせいざん・1760~1841・肥前平戸藩主)

・『甲子夜話』(かっしやわ・随筆)


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