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856 グズ1
グズは巨大な怪魚で、石川県加賀地方に次のような話が伝わっています。
その昔。
加賀の動橋川の下流の池に体長10メートルのグズが棲み着き、収穫の季節になると若い娘を生贄として要求してきました。
これを断ると、グズは口から火を噴いて田畑を焼き払うので、村人たちは泣く泣く毎年、一人の娘を生贄に出すことで災難を避けていました。
ある年。
生贄に選ばれた娘を持つ庄屋が振橋神社に祈ったところ、グズ退治に協力するという僧が現れました。
この僧の正体は動橋神社の神が旅の僧に化身したもので、神力でもってグズを池に封印しました。
このグズ。
僧の正体が動橋神社の神とは知らずクズグズしていたのでした。
・グズクズ=ぐずぐす(愚図愚図)