854/905
854 ダイダラボッチ
ダイダラボッチは巨人伝説です。
これは類似の名称が数多く存在し、そのほとんどのものが山や湖沼などを造ったという伝承であり、元々は国造りの神に対する巨人信仰が、ダイダラボッチ伝説を生んだと考えられています。
こうして巨人伝説は日本各地で誕生し、そのうちの一つに次のような話があります。
その昔。
浅間山が背の高い妹の富士山に嫉妬し、土を分けてもらうことになりました。
ダイダラボッチが前掛けに土を入れて運びます。
ところが浅間山は、土の量が足りないと言って、ダイダラボッチを叩きました。
その際、こぼれた土が前掛山となりました。
さらに怒った浅間山は噴火し、それを見た富士山は嘆いたといいます。
「アサマしいなあ」
・アサマしい=浅間山
・あさましい=見苦しく情けない