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852 おもやの源助狢
おもやの源助狢は新潟県佐渡市に次のような話が伝わっています。
その昔。
佐渡で酒造りをしていた重屋の杜氏が酒造蔵に入った際、源助狢はこの杜氏に憑いて、主人の怒りを買ってしまいました。
源助狢は主人に謝罪し、杜氏を元に戻し、このとき屋敷の守護を約束しました。
ある晩。
重屋の酒造蔵に盗人が入ったとき、人影が見えたり咳払いが聞こえたたため、この盗人は何も盗むことができなかったといいます。
その後。
源助狢は山本家に祀られていましたが、昭和の時代になって新町大神宮に石の祠が造られ、以来そこで祀られるようになりました。
このおもやの源助狢。
現在。
祠でホコラしげにしているといいます。
・ホコラしげ=祠=誇らしげ
・杜氏=酒づくりの職人の長