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妖怪百物語  作者: keikato
841/909

841 兎の腹鼓

 兎の腹鼓はらつづみは怪異の一種です。

 これは江戸時代中期、津村淙庵の随筆集『譚海』に次のような話があります。

 その昔。

 伊豆国の新左衛門村の山中に三社明神が祀られていたのですが、某村の老人がそこに参詣した帰り道、なにやら奇妙な音を耳にしました。

 その音は、背に担いでいたハサミ箱に鳴り響くほど大きく、何ごとかと不思議に思った老人は、足を止めて音のするあたりをうかがい見ました。

 するとそこには、数十羽もの兎が輪となって集まっており、皆がそれぞれ立ち上がり、両手で自分の腹を打っていました。

 老人が咳き込んだところ、兎たちは驚いて、「ダーッ」と一目散に林の中へと逃げ込みました。

 まさに脱兎のごとしでした。


・脱兎=とても素早く俊敏であるさま

・津村淙庵(つむらそうあん・1736~1806・歌人、国学者)

・『譚海』(たんかい・随筆集)


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