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84 ヒダル神1
ヒダル神は憑き物の一種です。
西日本の各地に伝承があり、ヒダルは空腹感を意味する「ひだるし」に由来し、人知れず死んだ餓死者の霊が、生きている者に疲労や空腹をもたらすものだといわれています。
これに憑かれると、はじめは疲れを感じる程度ですが、突如として激しい空腹感に襲われ、しまいにはその場から一歩も動けなくなり、そのまま行き倒れて死んでしまうこともありました。
行き遭う場所は、山道、峠、四辻、過去に行き倒れのあった場所などで、憑かれて死んだ者は同様のヒダル神となりました。
ヒダル神は自分が味わった疲労や苦しみを、他の者にも味合わせようとするのだといいます。
このヒダル神。
ツカレることから始まりました。
・ツカレる=疲れる=憑かれる




