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838 火炎鼠
火炎鼠という妖怪がおります。
これは昭和の児童向けの本に登場するもので、山内重昭編『世界怪奇スリラー全集』や、斎藤守弘の記事『世界の妖怪・ゆうれい勢ぞろい』で確認することができるといいます。
火炎鼠はネズミを殺した者が、死後にこの化け物になったといわれ、全身からメラメラと炎を燃やし、焼けただれた口からは無数のネズミを吐き出して、人間を襲うとされています。
江戸時代の読本には、怨霊や妖術使いが口から無数のネズミを吹き出して、それを操るという場面がよく見られ、火炎鼠はこのような描写をもとに、昭和の時代になって創作された妖怪であるといわれています。
この火炎鼠。
相手をするのに手が焼けました。
・手が焼ける=世話がやける
・山内重昭(詳細不明)
・斎藤守弘(さいとうもりひろ・1932~2017・日本の科学評論家、SF作家)