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妖怪百物語  作者: keikato
836/906

836 猪笹王

 猪笹王という妖怪がおります。

 その昔。

 大和国の天ヶ瀬に射馬兵庫という猟師がいて、あるとき東熊野の伯母峰の奥で背中に熊笹の生えた大猪を撃ち倒しました。

 数日後。

 紀州湯の峰温泉に、片方の足を傷めた野武士が湯治にやってきて、「自分は伯母峰で、射馬兵庫という猟師に撃ち殺されて亡霊となった。恨みを晴らしたいので、兵庫の犬と鉄砲をどうにかしてくれ」と訴えました。

 役人はこの亡霊を恐れ、犬と鉄砲を渡すよう兵庫に伝えますが、兵庫はそれを拒否しました。

 その後。

 野武士の亡霊は一本足の鬼神の猪笹王となって、伯母峰を通る人たちを食い殺すようになりました。

 この猪笹王。

 頼みが聞き入れられず、心がササクレダッテいたのでした。


・ササクレダッテ=熊笹くまざさ

・ささくれだって=気持ちが荒み、とげとげしい態度


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