表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖怪百物語  作者: keikato
833/904

833 ちんちろり

 ちんちろりという妖怪がおります。

 江戸時代末期の岩国藩士、広瀬喜尚著『岩邑怪談録』の「加藤氏、変化へんげに逢ふ事」に次のような話があります。

 岩国の加藤何某が夜遅く、西宇治から岩国城下へと帰る途中、道祖峠を越えるあたりで小坊主が寄ってきて言いました。

「加藤殿はちんちろり」

 加藤某は豪胆でしたので言い返しました。

「お前こそちんちろり」

「加藤殿はちんちろり」

「お前こそちんちろり」

 張り合いながら歩き進むうち、その小坊主は加藤某の家までついてきました。

 加藤某が門口を閉めると、小坊主は門の屋根の上からにこにこと笑いかけ、「さても強い者じゃ」と言って立小便をしました。

 このちんちろり。

 チンチロリ見えました。


・チンチロリ=ちんちろり=チンがチロリ(チラッと)

・広瀬喜尚(ひろせきしょう・1761~1833・博識家)

・岩邑怪談録(がんゆうかいだんろく・岩国藩内の怪談録)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ