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832 ギルマナア
ギルマナアは樹木の精霊です。
沖縄県に伝承があり、背丈は30センチほどで体色は赤く、その身体的な特徴から同じく木の精霊である「キジムナー」の類いのものだといわれています。
ギルマナアは朽ちかけた古木の暗い洞に棲んでいて、外が明るいうちは洞の中でじっと息を潜めて動かず、ほんのたまに海に魚やタコを獲りに行く以外は、日中のほとんどを洞の中で過ごしていました。
ただ夜になって外が暗くなると、洞を出て人家にこっそり侵入し、寝ている家人の体を押さえつけて金縛りに合わせました。
それは夜明けまで続き、ニワトリの鳴き声を聞いてはじめて、洞に帰っていったといいます。
このギルマナア。
いつもウロウロしていました。
・ウロウロ=洞洞