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831 雪童子
雪童子は新潟県に次のような話が伝わっています。
その昔。
あるところに子供のいない夫婦がおり、二人は寂しさをまぎらわすため、雪の降る日に雪で人形を作りました。
ある吹雪の晩。
夫婦の家に一人の子供がやってきました。
夫婦はたいそう喜び、我が子のようにかわいがって育てました。
春が訪れます。
子供はだんだんやせ細り、夫婦が心配するなか姿を消しました。
そして冬。
その子は再び夫婦の家にやってきて、春になるとまた姿を消しました。
この夫婦は、春になると消えるその子のことがずっと謎でした。
数年後。
子供はついに、自分が雪の精霊であることを打ち明けました。
それから雪童子は完全に姿を消してしまいました。
謎がとけたのです。
・謎がとけた=雪童子が解けて消えた