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828 お化けシメジ
お化けシメジは各地に伝承があり、宮城県白石市に次のような話が伝わっています。
その昔。
山奥の貧しい寺に独り者の和尚がおりました。
ある秋の夜。
寺に大勢の化け物がぞろぞろ現れました。
これらの化け物たちはみなが白い笠と白い着物姿で枕元を歩きまわり、そのうちの一体は「味噌、おっかねえ。味噌、おっかねえ」と唱えていました。
化け物たちはそれからも夜な夜な現れました。
ある晩。
和尚は正体を確かめようと、化け物の着物に糸を縫いつけました。
翌朝、糸をたどると裏山の大きな切り株に行きあたり、そこには多くのシメジが生えていました。
和尚はそれを持ち帰ると、焼いて食べました。
このお化けシメジ。
味付けするのががミソでした。
・ミソ=味噌=みそ
・みそ=工夫、趣向をこらした点