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妖怪百物語  作者: keikato
82/921

82 三吉鬼

 三吉鬼さんきちおにという妖怪がおります。

 秋田県に伝承があり、江戸時代の女流文学者、只野真葛の著書『むかしばなし』に次のような話があります。

「三吉鬼は山から人里に下りてきては、酒屋で酒をあおるようにして飲み、その飲み代の代わりとしてたきぎを置いていった。また人々は、大変な仕事があるときは酒樽を供えて三吉鬼に願をかけた。すると一夜のうちに終わることがあり、三吉鬼は多くの人々に重宝がられた」

 ですがいつかしら、三吉鬼は人里に下りてこなくなりました。

 現在でいうアルコール依存症を克服するため、昼は酒の代わりに苦い肝をなめ、夜は堅い薪の上に寝て、山奥で修行を積んでいたのでした。

 臥薪嘗胆です。


・臥薪嘗胆=将来の成功を期して苦労に耐える

・只野真葛(ただのまくず・1763~1825・女性文学者)

・『むかしばなし』(18世紀後半の江戸・随筆)


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― 新着の感想 ―
[一言] なんと、鬼も依存症に……!? 臥薪嘗胆で頑張ったのですね! 立派です! けど地元の人たちはガッカリかもしれませんね(笑)
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