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810 ビジンサマ
ビジンサマは山の神の類いのものです。
長野県に伝承があり、信州上伊群辰野町の奥山で目撃した者の話によると、次のようなものだったといいます。
「それは黒雲に包まれた丸い玉が本体で、両手で抱えられないほどの大きさだった。玉の下には赤や青のビラビラの紙が下がっており、それがうなるような音をたて、山の中を飛びまわっていた」
また蓼科山でも、これと同じものを見た人がいたといいます。
ビジンサマは現れる日が決まっていて、地元の者はビジンサマが通る日は仕事を休んだり、山に入ることを禁じました。
このビジンサマ。
ビジンというからには女でしょうが、本体はなぜか丸い玉であるといいます。
サマになりません。
・サマ=ビジンサマ
・様にならない=格好がつかない