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799 網切
網切という妖怪がおります。
江戸時代中期、鳥山石燕の『画図百鬼夜行』にあり、それにはハサミを持つカニまたはサソリのようなものが描かれています。
石燕は『画図百鬼夜行』の妖怪を描く際、それ以前の妖怪絵巻を参考に描いており、この網切も以前の妖怪絵巻の「髪切り」を参考に描いたのではないかと見られています。
昭和以降の文献では、網切は蚊帳や魚網を切り裂くと解説されています。
仙台市出身、山田野理夫の『東北怪談の旅』には山形県庄内地方の話として次のような話があります。
「外に干していた魚網が網切に切られることが続いたので、家の中の納戸に隠したが、それでも網切に切られてしまった」
ナンドも切られました。




