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79 袖もぎさん
・ない袖=片袖をちぎる
・ない袖は振れない=ない物はどうしようもない
袖もぎさんは「袖もぎ様」とも呼ばれ、主に中国四国地方における民間信仰の路傍の神だといわれています。
道で転んだときは片袖をもぎとって、その場に供えなければ災いに遭うとされるほか、行路の安全を祈願するため、片袖をちぎって袖の神に供えるといった風習がありました。
土地によっては袖を供えるための祠を建て、これを袖神、袖とり神、袖もぎさんなどといって道の神として祀りました。
そのような場合、供える物は必ずしも袖とは限らず、土地によってまちまちでした。
特に旅人は袖を供えたくても、すぐには用意できないので、かわりに木の枝を折って手向けたといわれています。
この袖もぎさん。
ない袖は振れませんでした。




