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783 たたりもっけ1
たたりもっけは怪異の一種です。
青森県五所川原市に伝承があり、これは生まれてすぐに死んだ赤子の死霊で、この死霊はフクロウに宿ることもあるといわれています。
そのためフクロウの鳴き声は死んだ赤子の泣き声だとされ、子供を亡くした家はフクロウを大事にしたといいます。
かつて日本では、生まれて間もない赤子は人間として認められていなかったため、死んだ赤子は墓ではなく家の周囲に埋められることがありました。
そうした赤子の死霊のうち、祟りのあるものがたたりもっけと呼ばれたのですが、なかには祟りがない死霊もいて、それもたたりもっけと呼ばれることがありました。
そんなとき死霊は怒ったといいます。
「もっけのほかだ!」
・もっけのほか=もっけの他=もってのほか