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754 青女房
青女房という妖怪がおります。
江戸時代中期、鳥山石燕の妖怪画集『今昔画図続百鬼』にあり、妖怪が映った鏡の前で、女官がお歯黒をつけている後ろ姿が描かれています。
その解説文では、「荒れ果てた古御所で誰かが訪ねてくるのに備え、青女房は常に化粧をしている」としています。
室町時代から数多く制作された『百鬼夜行絵巻』には、やはり鏡の前でお歯黒をつける女官の妖怪が描かれており、石燕はそれらを元にして青女房と名付けたとされています。
また江戸時代後期、尾田郷澄の『百鬼夜行絵巻』の青女房は、後ろ姿でなく正面を向いており、扇子を手にした姿で描かれています。
この青女房。
ほかの青女房にないセンスがありました。
・センス=扇子=センス
・鳥山石燕(とりやませきえん・1712~1788・画家)
・『今昔画図続百鬼』(こんじゃくがずぞくひゃっき)
・『百鬼夜行絵巻』(日本の絵巻物で多数の作品が現存)
・尾田郷澄(おだごうちょう・生没不明)
・『百鬼夜行絵巻』(ひゃっきやこうえまき・妖怪絵巻)