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747 骨なし女
骨なし女は幽霊の一種です。
この幽霊は先祖の霊のようなもので、人に祟たることはなかったといい、江戸時代中後期、作者不詳の妖怪絵巻『土佐お化け草紙』の詞書に次のようなことが記されています。
骨なし女はまたの名を「くらげ女」ともいい、元は潮江のはば山に棲む幽霊が年を経て骨なし女になったものでした。
これは死人が出た家に現れ、庭木に手をグルグルとからみつかせてはニコニコと笑い、さらに家の中に入ってきて、座敷の柱などにも同じようにからみつきました。
当然、葬儀の邪魔になり、僧呂や家人らに文句を言われて家から追い出されますが、すぐに平気な顔で舞い戻ってきたといいます。
この骨なし女。
骨身にこたえませんでした。
・骨身にこたえない=骨なし女
・骨身にこたえない=心身に強く深く感じない
・『土佐お化け草紙』(作者不詳・土佐国を舞台とした妖怪譚)