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妖怪百物語  作者: keikato
737/916

737 弁慶堀の河太郎

 弁慶堀の河太郎は、松浦静山の『甲子夜話』に次のような話があります。

 ある雨の降る夜。

 某男が九段の弁慶堀の端に差しかかると、堀の内から人を呼ぶ声が聞こえ、目を凝らすとそこには小さな子供がいた。

 男は助けてやろうと子供の手をつかんだ。

 ところが子供は岩のように動かず、それどころか男の方が堀の内へと引き込まれていく。

 男は何とか子供の手を振りほどいて逃げ帰ったが、手はヌルヌルとし、しかも何ともいえない生臭い臭いがした。

 家に着き、男が必死に手を洗っていると、そこへ女房がやってきた。

「ねえ、どうしたの?」

「いや、なんでも……」

 男は女房を心配させまいと言葉を濁した。

 女房が首をかしげる。

「なによ、水臭いわねえ」


・水臭い=生臭い臭い

・水臭い=よそよそしい

・松浦静山(まつらせいざん・1760~1841・肥前平戸藩主)

・『甲子夜話』(かっしやわ・随筆)


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