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734 三つ目小僧
三つ目小僧という妖怪がおります。
顔に三つの目を持つ童子姿で、東京の下谷にあった高厳寺という寺では、狸が三つ目小僧に化けて現れたという話が伝わっています。
その昔。
高厳寺に修行熱心な和尚がいて、この和尚は境内に一匹の狸を住まわせ、たいそうかわいがっていました。
それから百年以上の後、年を重ねた狸は化け狸となったのでした。
この化け狸は高厳寺を荒らす者がいると三つ目小僧となって現れ、体の大きさを変えて驚かせたり、提灯を明滅させて脅したりしました。
また人を溝に放り込んだりしたので、人々に高厳寺小僧と呼ばれて、ひどく恐れられようになったといいます。
この三つ目小僧。
目に余るものがありました。
・目に余る=三つ目
・目に余る=程度がひどくて黙って見ていられないほどである




