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722 三昧太郎
三昧太郎という妖怪がおります。
石川県や富山県に伝承があり、三昧は墓場という意味があり、火葬場で死体を千体以上焼くと死霊が集まり、それが人のような形になるといいます。
石川県の伝承。
三昧太郎は人間と相撲を取りたがったり、拍子木を叩いて騒いだりしました。
富山県の伝承。
この三昧太郎も火葬場で死体を千体以上焼くと現れたといい、やはり死霊が集まってできた人間らしきもので、相撲を取りたがったり、死人がありそうだと前の晩に拍子木を叩いたり、杭を打って音を出したといわれています。
この三昧太郎。
準備した杭は残すことなく墓場に打ちました。
すべて打ってしまわないと、クイが残るのだといいます。
・クイ=悔い=杭
・悔いが残る=物事がうまく進まずに終わったり、やり残したりしたことを残念に思う




