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718 海人1
海人は江戸時代後期、貝原益軒が編さんした本草書『大和本草』や廣川獬の『長崎見聞録』に、現在でいうところの未確認生物のユーマのような話が記されています。
『大和本草』では、「姿はほぼ人間に近く、頭髪や眉毛のほかに顎ヒゲがあり、四肢の指の間には水掻きがあった。人間が与えた食べ物を口にすることはなく、また人間のような言葉を話すこともなかった」と記されています。
『長崎見聞録』では前述に加え、「腰の部分の皮膚がひらひらとしていて袴を思わせ、海から上がって地上にいると数日間しか生きられなかった」とあります。
この海人。
ユーマでもなく、アシカやアザラシなどの海洋生物だったと思われます。
・ユーマでもなく=言うまでもなく=ユーマでもなく
・貝原益軒(かいばらえきけん・1630~1714・薬学者、儒学者)
・『大和本草』(やまとほんぞう・日本最初の本草学書)
・廣川獬(ひろかわかい・生没不明・江戸時代後期の蘭方医)
・『長崎見聞録』(ながさきけんぶんろく・1800年刊行)