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妖怪百物語  作者: keikato
712/916

712 鼻孔の虫

 鼻孔の虫は説話の一種で、鎌倉時代中期の仏教説話集『沙石集』に次のような話があります。

 ある在家の仏教徒の男は常に五戒を守り、善行を積んで日々を送っていました。

 この男は臨終に際し、妻を見て「私が死んだ後、この者はどうなるのだろうか」という妄念もうねんにとらわれたために、死後、妻の鼻の中に棲みつく虫に転生してしまいました。

 ある日。

 妻が鼻をかんだところ虫が出てきたので、これを踏み殺そうとしたところ、そばにいた聖者が、その虫が夫の生まれ変わりだということに気づき、虫は危うく命拾いをしました。

 そのあと。

 聖者が法を説くと、虫は天に生まれ変わったといいます。

 この鼻孔の虫。

 虫になることはモウネンだと。

・モウネン=もうねえん(もうない)=妄念もうねん

・五戒=仏教において性別を問わず在家信者が守るべき五つの戒

妄念もうねん=迷いの心

・『沙石集しゃせきしゅう』(無住道暁むじゅうどうぎょう編纂・1283年成立・仏教説話集)


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