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708 蛇蠱
蛇蠱は憑き物の一種です。
この蠱には「まじないに使う虫」「人を害する呪い」などの意味があり、香川県小豆島に次のような話が伝わっています。
その昔。
某神社の裏手にある藪で、村人の一人が大きな長持を見つけました。
これを聞いた村人数人が集まり、中身を分け合おうとふたを開けたところ、中から無数の蛇がはい出してきて、それぞれ村人たちにとり憑いて各家へと入り込みました。
これらの家が後に蛇蠱の家系になったといわれ、この家系にある者がほかの誰かに憎悪の念を抱くと、その相手に蛇の霊が憑き、しまいには蛇に内臓を喰われて命を落としたといいます。
この蛇蠱。
長持を見つけたことが藪蛇でした。
・藪蛇=藪
・藪蛇=よけいなことをして、かえって自分にとって悪い結果を招く
・長持=衣類や寝具の収納に使用された長方形の木箱




