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705 隅の婆様
隅の婆様は怪異の一種です。
江戸時代後期の米沢藩士、吉田綱富著『童子百物かたり』にあり、これは物語性を伴ったものではなく、山形県米沢地方で行なわれていた肝試し、もしくは民間降霊術ともいうべきものでした。
まず4人の者が古寺の座敷などの真っ暗な部屋に集まり、部屋の四隅に1人ずつ座ります。
次に部屋の中央へとはい出し、お互いの姿が見えない中で各自の頭をなでながら、「一隅の婆様」「二隅の婆様」と数えていきます。
この結果。
4人ですので頭は4つのはずなのですが、なぜか何度数えても頭が5つあり、そこには「五隅の婆様」がいるといいます。
この隅の婆様。
隅に置けませんでした。
・隅に置けない=隅の婆様
・隅に置けない=意外に経験豊かであったり、才能・知識などがあったりして、あなどれない
・吉田綱富(よしだつなとみ・1756〜1849・米沢藩士)
・『童子百物かたり』(どうじひゃくものかたり・怪異譚)




