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676 刑部狸
刑部狸は狸の親分です。
愛媛県に伝承があり、伊予国松山の狸は天智天皇の時代に端を発するほどの歴史を持ち、狸が狸を生んだ結果、その数は808匹にもなり、その総帥がこの刑部狸でした。
刑部狸は四国最高の神通力を持っており、久万山の古い岩屋に棲み、松山城を守護し続けていました。
あるとき。
城主の松平家にお家騒動が起こります。
刑部狸は謀反側に利用され、眷属の狸たちとともに謀叛側に助力しました。
その結果。
刑部狸はお家騒動のとばっちりを受け、宇佐八幡大菩薩から神の杖を授かった藩士、稲生武太夫によって退治され、久万山に封じ込められました。
この刑部狸。
傍杖を食いました。
・傍杖=神の杖
・傍杖を食う=争いのとばっちりを受ける
・天智天皇(てんじてんのう・626~672・第38代天皇)