669/917
669 薬缶吊る
薬缶吊るという妖怪がおります。
長野県長野地方に伝承があり、夜遅く森の中を歩いていると、薬缶の姿で木の上からぶら下がり、これを目にした者は病気になったといいます。
この薬缶吊ると同じ類いの妖怪で、木の上から器物がぶら下がるという伝承は日本各地にあり、西日本の「釣瓶落とし」、青森県の「エンツコ下がり」、岡山県の「さがり」、高知県の「茶袋」などが有名です。
これらはそれぞれ特徴がありますが、いずれも出現する場所は木の上からと決まっていますので、知っていれば避けて通ることができました。
ただしこれらは出現時刻が異なっており、そこは注意が必要でした。
この薬缶吊る。
いつも決まってヤカン出ました。
・ヤカン=薬缶=夜間