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661 禍母
禍母は災禍を生み出す伝説上の生き物で、仏教の説話に次のような話があります。
その昔。
平和な国の王が「この世には禍というものがあるらしい」と家臣に探索させたところ、ある商人が禍を生む禍母というものを売っており、家臣はそれを買って帰りました。
禍母は1日1升の針を食い、王は国民に針を差し出させたため、やがて国民は疲弊してしまいます。
家臣たちは禍母を殺そうとしましたが、体が鉄のように硬く、刀で斬ることもできず、仕方なく薪を積んで禍母を焼きました。
禍母は真っ赤に焼けて城の中を走りまわり、焼け死んだ王は姿を禍母に変えました。
この商人。
天罰を下す神の化身で、王はそのカモになったのでした。
・カモ=禍母
・カモ=食いものにするのに都合のよい相手