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妖怪百物語  作者: keikato
66/924

66 椿女

 椿女は山形県に次のような話が伝わっています。

 天明年間。

 商人二人が町を過ぎて峠道にさしかかった頃、いつしか若い女がそばを歩いていました。

 女は片方の商人の耳元でささやき、それから道沿いに咲いた椿の木陰に姿を消しました。

 やがて声をかけられた商人が消え、1匹のハチが椿の木へと飛んでいきました。

 椿の花がぽとりと落ちます。

 残った商人が椿の花を拾いますと、その花びらの中にはハチの死骸があり、驚いた商人は花を持って寺に行きました。

 住職が言います。

「あそこで人が消えるのはよくあることでして」

 あの峠のあたりは椿のあやかしがいて、男を誘惑して連れ去るのだと……。

「あなたは幸いでした、ハナにもかけられなくて」


・ハナ=花=鼻

・鼻にもかけない=まったく気にとめない

・天明年間(1781~1789年)


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― 新着の感想 ―
[一言] 椿のアヤカシに、ハナにもかけられなかったもう一人の商人。命拾いしてよかったと思うものの、すっきりしなくて、くそくらえ!椿にツバキをかけたかもしれませんね。
[良い点] 非モテセーフ(笑) [一言] 不思議なあやかしですね。「鼻にも」と「花にも」お見事でした!
[一言] 椿の妖怪…… きっと妖艶な美女なんでしょうね。 ハナにもかけられなかった商人、ちょっと寂しかったりしそうです(笑)
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