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649 付紐小僧
付紐小僧という妖怪がおります。
長野県佐久市に伝承があり、見た目は七、八歳ぐらいの子供のようで、いつも紐がほどけた着物を着ていたといいます。
またこれは妖怪「小豆洗い」の相棒といわれ、夕暮れ時になると小豆洗いの屋敷に通っていました。
その道中。
付紐小僧に遭遇した者が何も知らずに、「おい、着物の紐がほどけているぞ。どれどれ、わしが結ってやろう!」などと言って近づくと、化かされる羽目になり、一晩中やみくもに歩かされたうえ、夜が明ける頃になってようやく家に帰り着くことができたといいます。
この付紐小僧。
紐がほどけているのが本来の姿であって、他の者があれこれユウ必要はありませんでした。
・ユウ=結う=言う




