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643 ホモラ
ホモラは亡霊の一種です。
これは様々な姿で現れる幽霊船で、京都府与謝郡伊根町に次のような話が伝わっています。
ある晩。
兄弟の漁師が船で夜釣りをしていると、沖の方から綺麗な布で飾られた船が近づいてきました。
弟が驚いて叫びます。
「このままじゃ、ぶつかってしまうぞー」
兄はそれがホモラだとを知っていましたが、口に出すと弟をよけいに怖がらせてしまうので、見えないふりをしました。
「おれには何も見えないが……」
それでも弟が何度も叫びぶので、兄は漁を早々に引き上げたのでした。
また瀬戸内海には、名前の「ホ」と「ボ」が違うだけの「ボモラ」という亡霊の幽霊船が現れました。
この二つの亡霊。
ホボ同じだったといいます。
・ホボ=「ホ」と「ボ」=ほぼ