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妖怪百物語  作者: keikato
634/918

634 百足が耳に入りし人

 百足むかでが耳に入りし人は、江戸時代後期、森春樹の『蓬生談』に次のような話があります。

「肥前諫早の近在のことと聞く。

 昼寝をしていた人の耳に、1寸ほどの百足が這い込んで出てこなくなった。

 それからというもの耳の奥が痛み、やがて頭の骨まで痛みだしたので、さまざまな薬汁を入れて療治したが、百足は出ず痛みも去らず、20数年間苦しみ続けて死を迎えた。

 死の間際。

 その人は自分が死んだら頭を割り、かたきの百足を殺せとかたく言い遺した。

 父の遺言とあれば是非もない。

 子供たちが父の頭を割ると、10寸近い大百足に成長しており、頭蓋骨を喰っていたという」

 この百足。

 長い間、頭蓋骨をコツコツ喰っていたのでした。


・コツコツ=骨骨こつこつ=こつこつ

・こつこつ=たゆまず、地道に

・森春樹(もりはるき・1771~1834・国学者)

・『蓬生談』(ほうしょうだん・随筆)


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― 新着の感想 ―
戦後武将の旗印に百足か使われるのは、百足は後退しない(出来ない)からと聞いた事があります。生きた百足を見たのは数回だけなので、自分で確認した事はありません。毒もあるから、家の中なら殺虫一択! もし耳穴…
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