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615 女天狗
女天狗は民間伝承などにある天狗のうち、女性の天狗とされるものです。
女天狗は男天狗とともに、世俗の人々に混じって生活をしていたといわれています。
容姿としては長い髪を持ち、黛、紅、おしろいで化粧をし、歯にはお歯黒をつけており、緋色の袴、小袖五ツ衣、薄衣の被衣を身に着けていました。
そうしたこともあり、女天狗は優美な女性にしか見えず、背にある翼を見せられるまでは、その女性が女天狗とは気づかなかったといいます。
この女天狗。
天狗になる以前は人間の娘だったのですが、その美しさゆえに男たちにチヤホヤされ、すっかり舞い上がってしまいました。
この娘。
天狗になりました。
・天狗になる=いい気になって自慢する
・五ツ衣=五枚重ねて着ること
・被衣=女性が外出時に頭から被った布