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61 辻神
辻神は辻にいるとされる魔物です。
九州地方に伝承があり、名称は神ですが信仰対象の神ではなく、災いをもたらす悪神というべきものだといいます。
道と道が交差する辻は、古来より現世と来世の境界で辻神が棲みつきやすいといわれていて、九州以南の地域では異界より現れる辻神を防ぐため、石敢當と呼ばれる魔除けの石を辻瑞に供える風習がありました。
鹿児島県屋久島では、道と道が合わさった丁字路のそばに家を建てると、その家の跡取りの嫁は若くして死ぬといわれ、道が合わさった場所には石敢當が置かれました。
この辻神。
石敢當が置いてあれば妻が亡くなったとき、残された夫にツジツマ合わせをしてくれたといいます。
・ツジツマ合わせ=つじつま合わせ=辻妻会わせ
・辻褄を合わせる=筋道が通るようにする




